「技術的負債」というタームを使うのは避けたい

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負債のメタファーは、かなり昔から言われますが、技術的負債については使っている人の多くが原典を知らずに使っています。

最初にメタファーについて読んだのはXP関連だったと思います。ですが、これは金融関係でしか通じません。

金利について、ただしい金融教育を受けている日本人は皆無だからです。

こう書くと、「単利や複利くらい理系ならだれでも理解できるし、自分も理解している」と感じる人もいるかもしれません。

複利を知らずに合法的な闇金(リボ払い)に金を借りて、返済に苦労する人もおられるのでしょうが、その程度ではレベルが低すぎます。

例えば現在価値という考え方があります。今借りる100万円と来年借りる100万円の価値の差を明確にするものです。

「お金を借りたらあとで返さないといけないから、無借金経営が最も優れている」などというのは、子供の議論です。

現金商売ではレバレッジが利きません。

また、「うちの会社は現金主義」と胸を張っている企業が、取引先に「手形で支払い」を強要しているのもしばしばあることです。

手形で支払うということは、支払い先に待ってもらって、借金をしているということです。

それを「買掛金と同じだ」と強弁するのは勝手ですがね。

さて、最近だと、以下のような記事で原典について注釈がついています。

「技術的負債」とは何か。原典とその対応策を探る

こうした背景をしらずに、「技術的負債」を「実装や設計がやっつけ仕事」という意味で使っていると、それ自体が信用を失う行為になりかねないので注意したいものです。

例えば、「適当におこなう」という文は以下の意味があります。

  • (良い意味で)いい加減におこなう
  • (悪い意味で)いい加減におこなう

これを「文脈を読めばわかる」と開き直るは良くないことです。書き手が「(良い意味で)適当におこなう」と書くべきでしょう。

このエントリで書いていることは、そういう話です。

心配になるのは、ここで書いた「いい加減」に良い意味の場合があること、を知らない人が多数派になっているのではないかということです。