×優先度 ○締め切り

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優先順位をつけて処理したからといって、作業が効率的に進むことは絶対ありません。



つけるべきは優先順位ではなくて締め切り(納期)だけです。


そうすると、



厄介そうな問題から優先して片付けて何が悪い



と逆切れされます。



問題点を指摘しておきます。


3日に1回出る厄介な不具合(OSを再起動すれば復旧する)と、GUIの誤字脱字の修正があるとします。


厄介な不具合を一所懸命直したつもりが、3日に1回が1週間に1回になっただけで、誤字脱字が残ってしまうというシナリオを想像してみてください。


ユーザは言うでしょう。



どうしてこんな誤字脱字がすぐ直らないの!



しかもマーフィーの法則的に言えば、誤字脱字を直していてふととなりの関数を見たら間抜けな実装ミスを見つけ、厄介な不具合の原因がアッサリ判明、ということがままあります。


表面的な事象が裏でどことつながっているか分かりません。見た目の優先順位付けほど曖昧なものはないのです。



自分がユーザや客の立場で考えればすぐに分かることです。



ご指摘の不具合10件のうち、致命的な問題2件は完全に解消しました。


ですが、原因追求に時間がかかってしまい、残り8件のうち半分は、対策効果の確認がまだできていません。


さらに誤字脱字は、稼動には問題ないと思われますので・・・



中には怒り出す人もいるでしょう。多くの人が怒り出さないのは、開発者というのは人の神経を逆なでする才能に溢れた人種だということを学んだユーザなのです。


なお、この誤字脱字は、前回の打ち合わせ時にも同じ言い訳で先送りされています。



リアルタイムOSにおける例を引き合いに出すまでも無く、優先順位による管理には



高負荷時に優先順位の低い問題がひたすら先送りされてしまう



という根本的かつ致命的な欠陥があります。おわかりでしょうか。簡単な問題ほど残るのです。「5分で直せますよ」という問題が何ヶ月も店晒しにされるのを何度も見ました。



少なくとも優先度はユーザやお客様が決めるものです。開発サイドでも営業サイドでもどちらで決めてもろくなことがありません。


素人考えで問題の優先度を無茶振りされても困る、というようなユーザを見下した態度が、この問題の本質の一端であることも指摘しておきます。