そのバグは誰のもの

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テスタは、バグを見つけるのが仕事です。


開発者の中には、テストでバグを見つけて報告するテスト担当者やユーザに対して、罵詈雑言を吐くとんでもない連中がいます。


品質の視点で考えると、バグはリスクとして扱われます。


開発初期に作りこまれたバグは、摘出されるまで、リスクとして内在し続けます。


多数の潜在バグは、摘出のための工数を肥大化させます。誰かが潜在バグの数の多さに気づけば、大量の人員でテストを実施しなければならないからです。


製品のリリースが近づくと、残ったバグがフィールドで顕在化するリスクが大きくなります。


リスクが現実化すると、コストが発生します。リスクを取り除くにもコストが必要です。


バグのマイナスの価値は、取り除くためのコストだけでは計れません。フィールドでバグが発動すれば、それは修理のコストとなって跳ね返ってくるのです。


量産される製品であれば、ひとつのバグが出荷済み個数倍の係数をかけたマイナスのコストを生み出すのです。


例えば、100個作る製品の潜在バグを取り残すリスクは、受注生産の装置ひとつのソフトウェア製品のそれの100倍だということです。


ソフトウェアを書き込んで出荷するまでの間に、可能な限りバグは取り除かなくてはなりません。


そのために皆苦労してバグを摘出するのです。



それが分からないなら、ソフトウェア技術者なんて辞めてしまえということです。


あるいは、自分で銀行へ行って借金をして資金を作り、自分のカネで自分の好きなプログラムを書けばよいのです。


人様のカネで、人様のためのプログラムを書くのであれば、守るべき一線があるのです。