炎上する現場では超過料金で儲けている人たちがいます。超過料金には、ケータイの定額分と同じように、無効区間があります。
月30時間までの残業代は基本報酬に含まれています。
30時間を超える分については別途支給します。
分かりやすく書けば、
残業代は月30時間まではカット
その場合、毎日1時間~2時間の残業をして、月30時間のタダ働きをしたくないと考える人たちが出てきます。
1日2時間なら、50時間のうち30時間がタダ働きの感覚です。半分以上が無駄ですね。
半分以上を無駄にしないためには、月60時間以上の残業が必要となります。1日2.4時間ですか。
18時が定時なら、20時半ということになります。それでも半分がタダ働きです。
ここで、残業代の半分がタダ働きなので、1.2時間だけが相当するのですが、算数のできない方々はどういうわけか、
1日働いても半分はタダ働きだから
という誤った認識で働いていることがあります。困ったことですね。
落とし所は、3分の1がタダ働きになるくらいです。月90時間の残業で1日3.6時間。21時半~22時くらいです。
だいたいその辺まで残業を繰り返している人たちは、そのような思考回路で行動していますので、中途半端に工数削減の取り組みをしても残業を減らすことはしません。隠してあったバグを、さも今見つけたように報告しては、仕事を作り始めます。
それでもバグは取れるので品質向上には寄与しますが、消防活動としてはサイテーです。
現代的な品質管理を持ち込むと、試験結果からその後のバグ取り作業の見積もり精度が向上します。そうすると人の配置とともに残業時間も管理側から制御可能となるのです。
ですが、残業時間を自分で制御したい人たちは、それに抵抗します。
時間給1000円で計算してみましょう。
30時間の残業:ゼロ円
60時間の残業:3万円
90時間の残業:6万円
長時間の残業はイヤだが、月6万円の残業代をおいそれとなくしたくないと考える人が出てきてもおかしくありません。会社を通していれば売り上げにも影響します。
簡単な話で、残業代カット分を30→15時間にするだけで、残業時間は15時間くらい減るのがフツウです。減らない場合は、残業代に目がくらんだ連中がいるということです。
さらに→0時間にして適法化すれば、さらに15時間減ります。
実験してみればすぐに分かることですが、
カット30時間→みんな22時まで仕事する
カット15時間→みんな21時過ぎまで仕事する
カット0時間→みんな20時過ぎには帰る
というように行動する様子が観察できます。
同じ現場でグループごとに残業時間に傾向が見られる場合、この要因が強く働いていると勝手に思い込んでいます。もちろん中には経済的な理由でとにかく残業代が必要な長時間労働者がいますので、そういう人は除外して統計を取ってみることをおすすめします。
あなたが管理職で複数の会社からハケンなどを受け入れている場合、ハケン会社内の残業代カットルールが浮かび上がってくるはずです。
遅くまで残業してくれる会社からのハケンは、責任感が強いわけでも、スキルが低いわけでもなく、タダ働き分の割合を減らしたいだけなのです。
もし月に50時間超の残業を是正したいと考えるなら、
月に25時間分の残業代に相当する基本報酬のアップ
というオプションがほんとうにありうるのです。
どうせ管理職は残業代がつかないのですから、しらじらしく出入り業者の要求に応じる形で報酬を上げれば、残業は減りみんな早く帰れて、支払額の合計は変わらないのです。
管理者のあなたのタダ働きが減って、オールハッピーになるというわけですな。
そんなうまい話はそうそう簡単には実現しないわけですが。
もっと簡単確実な方法は、30時間以上の残業代をカットすればいいのです。
そうすればみんな19時すぎには、そそくさと帰っていきます。
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