マイナス金利リターンズ

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むぅ。


マイナス金利においては、金を借りたほうが金利を受け取れると面と、金を預けたら金利を払うという二つの面があるんですな。


以前書いたのは前者のことしか考えてませんでした。


歴史上かつてないマイナス金利時代の到来は目前


http://d.hatena.ne.jp/syasuda/20080122/1201009123


で、今日みかけたMoneyZineの記事。


日本はゼロ金利でもまだ高い 「マイナス金利政策」の導入に検討の余地あり


http://moneyzine.jp/article/detail/186010



実質金利を下げるあまり一般的でない方法として、政策金利をマイナスにするという方法があります。実は金利がゼロ以上でなければならないという決まりはありません。実際に、スウェーデンは現在中央銀行への準備預金金利を-0.25%に設定していますし、スイス中銀は70年代に非居住者向け預金金利を-40%に設定したことがあるそうです。また最近、スイス中銀が最近のスイスフラン高とデフレ圧力に対応するため、政策金利をマイナスに引き下げる可能性があるというレポートを米系銀行が発表しました。



スウェーデンのマイナス金利は2009年ごろの話で、ググってみたところ政策的な意味はあまりなかったようです。詳細はウォッチしていないのでよくわかりません。


スイスの件をググっていてみつけたのが以下のページ。98年に書かれたもののようです。いわゆる"実質ゼロ金利"の頃ですかね。今は"真のゼロ金利"。


マイナス金利の世界


http://www21.ocn.ne.jp/~curio/economic/negative.htm



かつて金融立国・スイスで実際にマイナス金利が導入されたことがあるのは有名な話だ。当時は投機的にスイス・フランが買い進まれたため、スイス・フランを短期的に買う(そしてそのお金を銀行に預けざるを得ない)人に対して懲罰的にペナルティを課してスイス・フラン高を抑制しようとしたものだった。しかしその外には実例を見ない。・・・



なるほど。経済学の初歩で教科書にでも書いてあるんですかね。



しかし、それでもマイナス金利はありうるのである。


例えば銀行に預けないとした場合、人はタンス預金を考えるだろう。タンス預金は安全だろうか。家が火事で焼けてしまった場合を考えてみよう。あるいは、人々がタンス預金をしていると知っていれば、空き巣は増えるかもしれない。銀行に預金がないとカードも使えなくなるし、常に人々は現金を持ち歩かなければならなくなるから、スリや恐喝も増えるかもしれない。各種の振り込みもその度に払い込みに足を運ばなければならない。どこか2-30年くらい前の状況に戻るようだが、こんな不便な生活に耐えられるだろうか。



これ読んで思ったことがあります。


近所に銀行支店がない、あるいは昼休みはいつも行列で並んでいられない、などの理由で仕方なくコンビニのATMで預金を引き出すために毎度毎度105円支払う状況を甘んじて受け入れている人々にとっては、マイナス金利はすでに現実化している気がしますね。


それとマイナス金利の話の枕にケイジアンが出てくるんですけど・・・



経済に効果を与えるのは直接的に投資や消費需要を増加させられる財政政策のみだと言う結論を導くことになる。これが俗に言う「ケインジアン(経済学者ケインズの主張を引き継いだとされる学派)政策」である。



そういやつい先日クルーグマンさんもケインジアンがどうたらという記事を書いてましたよね。


The Facts Have A Well-Known Keynesian Bias


http://krugman.blogs.nytimes.com/2010/06/19/the-facts-have-a-well-known-keynesian-bias/


ケインズの入門書はブックオフで買ってあるんですけど読んでないからサパーリです。



ケインズ―時代と経済学 (ちくま新書)

ケインズ―時代と経済学 (ちくま新書)





ていうかいっぱいありすぎてどれを読んだらよいのやら。